私は自分自身のことを1%も知りません。
適当な○月○日になにがあったかなんて覚えていないし、未来に何をしているかなんてわかりません。
自分の心理もわからないところだらけです。
自分の身体についてもわからないところだらけです。
ということは、自分の能力についてもわからない事しかないわけです。
それは、素晴らしいことだと思っています。
仮に今、1%の自分の能力を知って使っているとしたら、2%使えるようになったら凄まじいことになります。
例えば囲碁において、初心者のほうが有段者よりもずっと上達が早いです。
1%も自分の能力を使っていないと分かっているからこそ、必ずもっと素晴らしいことができると確信できるわけです。
ましてや能力の限界なんて誰も知りません。
碁盤の上の可能性を大勢の人間が何百年と必死に探りあっても、AIはさらに先があることを証明して見せました。
陸上100m走で、長く10秒の壁が超えられない時代があって、そのあたりが人間の限界だろうと言われていた時代がありました。
一人がその壁を超えると、次々に超える人があらわれました。
前の時代には超えられないと思っていた壁も、次の時代には普通に超えられるようになっていきます。
なにも世界記録についての話だけではありません。
自分が昔、困難だと思っていたことも、慣れてみれば簡単だったという経験がありませんか?
困難だと思っていた時には、自分の未来の能力を知らなかったわけです。
困難を超えることができたのは、自分の能力が伸びる可能性を発掘したからです。
可能性を発掘するには、まずは可能性があることを確信していることが大事です。
だから、私は自分のことをまだ1%も知りません。
それは素晴らしいことだと思っています。