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言葉ではないもの

ネット上でやり取りしたり本を読んだり勉強したりしていると、つい言葉だけを重視してしまう。
しかし、世の中は言葉以外のものでできていて、言葉はそれの1億分の1も表せない。

今目の前にある光景をすべて正確に言葉に表すことは不可能だ。
味を、香りを、人の表情を、音楽を、座っているイスの感覚を、心臓の鼓動を、自分の中の名状しがたい思いを、言葉で表せないけど、それは確かにある。

言葉にできることは比較的意識しやすく、人にも伝えることができて、習うこともできる。
言葉にできないことをどう伝え合うか、それには体感が必要だ。
「習うより慣れよ」とはまさにその体感を重要視している。
「どうすればいいの?」と聞くとき、つい言葉だけでできると思ってしまっている。

もちろん、例えば音楽を勉強すればそれだけ音楽を表す言葉をたくさん知って、今まで意識していなかった部分まで音楽を豊かに感じることはできる。
それでもやはり言葉にできないもののほうがはるかに多い。

世の中には言葉にできないものが言葉の1億倍はあると知ることは、言葉の世界の1億倍は世の中を味わうことができると思えることだ。

言葉に縛られずに味わうこと。
今まで言葉にできていなかった世界を新たな言葉で味わうことによって、言葉以外の世界がいくらでも広がっていることを知ること。
言葉だけで判断せずに背景を感じること。
感情を大切にすること。

言葉を大切に使うことは大事だ。
同時に、言葉以外も大切にすることによって、僕たちの世界は1億倍は広がる可能性を持っている。

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