メニュー 閉じる

アナログ多重奏でいきましょう

人を一言で言い表したい欲求がある。
「あの人はこういう人だ」とズバッと言ってしまうと気持ちがいい。
人を見抜いた自分の知性を褒め称えたくなる。
しかしそれは、必ず間違っていることを自覚する必要があると思う。

人は言葉になるものも言葉にならないものも同時にたくさんの思いを持っている。
「なんでこうしたの?」と聞かれた場合、言いやすい、人に受け入れられやすいものの中から大きい理由を答えるのではないだろうか?
それを聞いて、言葉にされたものだけを全部だと断じてしまうのは間違っている。
部分的にしか合っていない気持ちの言葉をもとに議論されると、どんどん人間が置いてけぼりになってしまう。

人間を描写する場合、そもそも言葉では言い表せないからこそ丁寧に言葉を尽くそうという姿勢にかけてしまうと、言葉の暴力をふるってしまうことになるだろう。
一言で言い表そうというデジタルな姿勢ではなく、アナログな気持が同時にたくさん存在するということ。
アナログ多重奏で同時にたくさんの音が繊細になっているものを、心を澄まして受け止めようという、そういう気持ちを常に持っておきたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください