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複雑なものを複雑なものとしてとらえよう

複雑なことを単純に
単純なことを面白く
面白いことを深く
研究しよう

この言葉は、大学時代に恩師から紹介された言葉です。
20年近く前のことですが、非常に深く印象に残っています。
複雑なことを単純なだけではなく、面白くも深くもなっていくのかと、世の中の深淵を感じ入ったものです。

難しいことを単純化して大枠でざっくりと捉える能力は非常に重要です。
例えば人に説明するときには簡潔に伝えるとは単純化して説明するのとほとんど同じ意味になります。

そのうえで、気をつけておかなければならないことがあります。
それは、簡単な説明を聞いたときに簡単な事柄なんだと捉えるのではなく、複雑なことが背景にあるかもしれないと注意しておくことです。

説明のうまい人、面白い人の話を聞いて、
「これはこういうことなんでしょ」
と分かったつもりになってしまうことがあります。
それは時には、繊細に細かくその分野を大切に扱っている人の思いを無視して切り捨ててしまうことにもつながりかねません。

だから、単純化してとらえるのと同時に、複雑なことが奥深く背景に存在する可能性には常に配慮する必要があります。

人付き合いに当てはめてみれば非常によくわかります。
初めて知り合った人は「こういう人かな」と、ざっくりとした印象をもとに単純化した分類をしたりもします。
そのうえで、必ずそれだけではない複雑で奥深い魅力が個人個人にあるので、初めの印象だけにとらわれずにその人の情報や印象をどんどん自分の中で付け足していきます。
そうしていくうちに「個人」がくっきりと浮かび上がっていく気がしています。
もしこれを、初めの印象のラベル付けだけで付き合い続けるようなことを行ったら、ものすごい非礼なことです。

複雑なことを単純にとらえる能力は重要です。
そして、単純なことの背景に複雑で奥深いことがあることを常に意識して、複雑なことを複雑なままでとらえる能力を鍛え続けていこうと思っています。

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